自立支援医療制度(育成医療)
- 「自立支援医療制度(育成医療)」とは?
- 「具体例」を教えてください。
- 「利用できる人」とは?
- 「対象」の疾患・治療とは?
- 「対象外」の疾患・治療とは?
- 「いくら」医療費が安くなりますか?
- 「いつから」適用されますか?
- 「有効期限」はありますか?
- 「更新」はありますか?
- 「支払い済み」の医療費に使えますか?
- 「申請方法」は何ですか?
- 「申請費用」はかかりますか?
- 「相談窓口」はどこですか?
- 「必要書類」は何ですか?
- 「診断書」は必要ですか?
- 「利用方法」は何ですか?
- 「所得制限」はありますか?
- 「年齢制限」はありますか?
- 「回数制限」はありますか?
- 「家族の代理」で手続きできますか?
- 「メリット」は何ですか?
- 「デメリット」は何ですか?
- 「注意点」は何ですか?
- 「〇〇制度」との違いは何ですか?
- 【書籍・参考書】おすすめ本を紹介
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「自立支援医療制度(育成医療)」とは?
自立支援医療制度(育成医療)とは、何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)とは、簡単に言うと「18歳未満の身体障害児が利用できる医療費を1割負担にできる制度」です。
【重要ポイント3選】
対象となる障害・治療は決められています。
世帯収入や症状の重さに応じて、1ヶ月の上限額も設定されます。
自動的に適用される制度ではないので、ご自分で申請する必要があります。
【練習問題】
- 解答を見る
【定義】
- タップで確認
-
育成医療は、児童福祉法第4条第2項に規定する障害児(障害に係る医療を行わないときは将来障害を残すと認められる疾患がある児童を含む。)で、その身体障害を除去、軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できる者に対して提供される、生活の能力を得るために必要な自立支援医療費の支給を行うものです。
厚生労働省HP
「具体例」を教えてください。
この制度を使うとどのくらい医療費が節約できますか?
医療費が1万円かかったとして考えてみましょう!
普通はこの額を支払います。
自立支援医療を用いるとこの額になります。
図にすると以下のようになります!
「利用できる人」とは?
自立支援医療制度(育成医療)はどんな人が利用できますか?
「対象」の疾患・治療とは?
自立支援医療制度(育成医療)は、どんな障害で利用できますか?
自立支援医療制度(育成医療)は以下の障害で利用できます!
- 視覚障害
- 白内障、先天性緑内障など
- 聴覚・平衡覚障害
- 先天性耳奇形など
- 音声・言語・そしゃく機能障害
- 口蓋裂など
- 肢体不自由
- 先天性股関節脱臼など
- 心臓障害
- ペースメーカー埋込み手術など
- 腎臓障害
- 人工透析療法など
- 肝臓障害
- 肝臓移植術など
- 小腸障害
- 中心静脈栄養法など
- その他の先天性内臓障害
- 先天性食道閉鎖症、停留精巣など
- 免疫機能障害
- HIVなど
具体的に、どんな病気のどんな治療で対象となるかは、各自治体の窓口でご確認ください!
対象となるサービス
- 診察
- 薬剤又は治療材料の支給
- 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
- 居宅における療養上の管理及びその治療に伴う世話その他の看護
- 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
- 移送(医療保険により給付を受けることができない者の移送に限る。)
「対象外」の疾患・治療とは?
自立支援医療制度(育成医療)を利用できないのはどんな障害ですか?
対象となる障害以外では利用できません!
例えば、障害とは関係ない以下の病気では利用できません!
- かぜ・インフルエンザ
- 花粉症
- 高血圧
- けが
- 虫歯
通院治療をしているときに、ちょっと風邪っぽいからついでに診てもらう、というのは自立支援医療の対象外です!対象となる障害以外は3割負担で受診となります!
また、入院時にかかる以下の料金は対象外です!
- 差額ベッド代
- 入院時食事療養費
- 入院食のことです。
「いくら」医療費が安くなりますか?
自立支援医療制度(育成医療)を利用すると医療費はいくら安くなりますか?
病院や薬局で支払う医療費が1割負担になります!通常は3割負担が原則なので、制度を利用することで支払額が3分の1になります!
また、世帯収入や症状の重さに応じて1ヶ月の上限額も設定されます!市町村民税235,000円未満世帯あるいは重度かつ継続とされる症状では、負担上限月額が0円〜20,000円となります!
自立支援医療制度(育成医療)による医療費の負担(上限5,000円の場合)を図にすると次のようになります!
重度かつ継続とは
次のどれかを満たす場合、重度かつ継続と認定されます。
- 医療保険の「多数回該当」の方
- つまり、直近の12か月間に、国民健康保険などの公的医療保険の「高額療養費」の支給を3回以上受けた方
- 以下の障害の方
- 腎臓機能
- 小腸機能
- 免疫機能
- 心臓機能障害(心臓移植後の抗免疫療法に限る)
- 肝臓機能障害(肝臓移植後の抗免疫療法に限る)
医療費負担額まとめ
世帯所得区分 | 自己負担割合 | 上限月額 (通常) | 上限月額 (重度かつ継続) |
---|---|---|---|
生活保護 | 0割 全額公費 | 0円 | 0円 |
市町村民税非課税 本人年収80万円未満 | 1割 | 2,500円 | 2,500円 |
市町村民税非課税 本人年収80万円以上 | 1割 | 5,000円 | 5,000円 |
市町村民税 33,000円未満 | 1割 | 5,000円(*) | 5,000円 |
市町村民税 33,000円以上 235,000円未満 | 1割 | 10,000円(*) | 10,000円 |
市町村民税 235,000円以上 | 3割 制度対象外 | – | 20,000円(*) |
自分がどの区分となるかは市区町村役場でご確認ください!
夫婦2人+障害児世帯の場合、
- 市町村民税33,000円:年収約400万円
- 市町村民税235,000円:年収約833万円
が目安となります!
「いつから」適用されますか?
自立支援医療制度(育成医療)はいつから適用されますか?
初めて通院した日から申請が可能です!申請には医師の診断書が必要となるので、通院した時に必ず診断書を発行してもらってください!
「有効期限」はありますか?
自立支援医療制度(育成医療)の有効期限はありますか?
有効期限はあります!申請受理日から原則3ヶ月です!HIVなど障害や治療によっては最長1年以内となります!
詳しくは、市区町村窓口でご確認ください!
「更新」はありますか?
自立支援医療制度(育成医療)の更新はありますか?
更新が必要です!
再申請時には、再度審査手続きが必要なのでご注意ください!
「支払い済み」の医療費に使えますか?
自立支援医療制度(育成医療)は支払い済みの医療費にも使えますか?
返還されません!そのため、できる限り早い段階で自立支援医療制度(育成医療)の利用を開始することをお勧めします!
ただし、緊急入院となった場合などは対象となることがあります!詳しくは、市区町村窓口でご確認ください!
「申請方法」は何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)は、どうやって申請すればいいですか?
申請方法を以下のフローチャートにまとめます!
申請書類はこちらでご確認ください。
医師の意見書など、自分1人では作成できないものもありますので、余裕を持って準備しましょう。
市区町村役場や保健福祉センターなどで申請が可能です。
およそ1〜2ヶ月で郵送されます。
「申請費用」はかかりますか?
申請するのにお金はかかりますか?
かかりません!ただし、申請に必要となる書類(診断書など)の発行料は支払う必要があります!
「相談窓口」はどこですか?
自立支援医療制度(育成医療)について相談したいときはどうしたらいいですか?
自立支援医療制度(育成医療)について困ったことがある場合は、以下の場所で相談することができます!
- 市区町村役場
- 保健福祉センター
GoogleやYahoo!で「お住まいの市区町村名 育成医療 窓口」と検索し、場所をご確認ください!
「必要書類」は何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)の申請に必要になるものはありますか?
申請には以下の4つの書類が必須となります!
引用:「大阪市」ホームページ
- 自立支援医療費(育成医療)支給認定申請書
- 自立支援医療(育成医療)意見書
- 市民税の課税状況等を閲覧することの同意書兼世帯状況申出書
- 健康保険証の写し
他にも、状況に応じて様々な書類が必要なることがあるので、市区町村の役場で聞いてみてください!
「診断書」は必要ですか?
自立支援医療制度(育成医療)の申請には、診断書は必要になりますか?
診断書(意見書)は申請に必須の書類です!
受診する指定自立支援医療機関の医師が記載した意見書が必要です!どこの病院で診断書を作成しても良い訳ではありませんのでご注意ください!
例として、大阪市で用いられている意見書を掲載します!
「利用方法」は何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)を利用するにはどうしたらいいですか?
自立支援医療(育成医療)の利用には、次の書類が必要となります!
- 受給者証
- 自立支援利用(育成医療)の証明書
- 自己負担限度額管理表
- 1ヶ月の上限額を記録する紙
これらは制度申請後に送付されます!この2つはセットで病院に見せますので、ホッチキスでとめておきましょう!
病院ではこれらの書類に加え、健康保険証も提出してください!
「所得制限」はありますか?
自立支援医療制度(育成医療)に所得制限はありますか?
自立支援医療(育成医療)には所得制限があります!世帯の市町村民税235,000円以上では対象外となります!また、負担上限月額に関しても、所得や症状によって異なります!
詳しくはこちらでご確認ください!
「年齢制限」はありますか?
自立支援医療制度(育成医療)に年齢制限はありますか?
年齢制限があります!育成医療は18歳未満が対象です!
もし、育成医療の受給者が認定期間内に満18歳になった場合は、有効期間中はそのまま利用が可能です!しかし、再認定はできませんのでご注意ください!
18歳以上の身体障害者は更生医療の対象となります!こちらの記事も合わせてご確認ください!
「回数制限」はありますか?
自立支援医療制度(育成医療)は、回数制限はありますか?
回数制限はありません!必要があれば、たとえ毎日病院に通院しても制度を利用することができます!
「家族の代理」で手続きできますか?
自立支援医療制度(育成医療)の手続きは、家族の代理でできますか?
できます!育成医療は18歳未満のお子さんが対象となるため、通常はご両親が申請を行うことになります!
「メリット」は何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)のメリットは何ですか?
自立支援医療(育成医療)のメリットは、医療費が安くなることです!
「デメリット」は何ですか?
自立支援医療制度(育成医療)のデメリットは何ですか?
自立支援医療(育成医療)には大きなデメリットはありません!
ただし、障害の種類・治療によっては長期間利用することがあり、その場合は更新手続きが何度も必要になります…
しかし、かなり医療費を削減できるので、その手間をかける価値はあると思います!
「注意点」は何ですか?
自立支援医療(育成医療)に何か注意することはありますか?
自立支援医療(育成医療)を申請する上でいくつか注意しておくべきことがあります!
- 対象疾患に限られる
- 風邪や花粉症、虫歯治療には使えません
- ついでに花粉症の薬もほしい、などはNGです
- 自動的に適用されるものではない
- 診断がついても勝手に医療費が安くなるものではありません。診断書を取得して速やかに申請を行いましょう。
- 申請する前の医療費は対象外
- できるだけ早く制度の申請を行いましょう
- 制度を利用できる医療機関が限られる
- 病院・診療所・訪問看護事業所は1ヶ所だけ利用可能です。指定できる医療機関は都道府県で定められているので、窓口やWebサイトでご確認ください。大阪市の指定医療機関リストを例として掲載します。